2014年11月10日月曜日

尖閣に対する合意の中国の姿勢が謎

日中の合意文書の尖閣のお話。
領土問題の存在は明記されず意見の相違があることが記載された。
これについて日本の負けだとか勝ちだとか譲歩だとか諸説飛び交っている。
どうなのだろうか。

中国としてのベストは次の通りではないだろうか。
 領土問題が存在するが問題は棚上げにしよう
要はこれまでの中国の主張に沿った形である。
ところが合意文書はこうだ。
 領土問題は不明記。しかし問題は存在している
これでは完全にこれまでの中国の主張に反してしまう。
無論、これには裏があると考えた方がいいだろう。
ではそれはなにか?
3つほど考えた。

1.上記合意をもって「領土問題は存在すると強行主張する
 やりかねないとは思うのだが正直苦しいだろう。
 合意文書は中国国内でも見られるようで、領土問題に言及していないことについて既に非難の声が少々出ているようだ。
 諸外国向けにも説明が苦しい内容となるだろう。
 これが通るなら国境線に意味はなくなる。
 諸外国マスコミにアホ扱いされると面子が立たない。

2.真面目に外交として考えた
 領土問題で日本は引かない
  & APECで醜態を晒せない
  & しかし問題がないことにしてしまうと日本とのパイプがまた切れる。
 上記要因を組み合わせると妥当な合意となる。
 今後、領土問題化を目論むのか棚上げ化に取り組むのかは不明だ。

3.狙いは尖閣ではない
 今回の合意では尖閣諸島だけを指定していない。
 「尖閣諸島及び東シナ海において意見の相違がある」と記載されている。
 つまり狙いは「中国の唱える大陸棚による領海の主張」や「防空識別権」の方である可能性もある。
 意見の相違とやらが何を指しているか不明瞭なのでこれはありうる。
 実は大陸棚による領海主張が通ると尖閣諸島の島から左は全て中国の領海になる。
 これだと尖閣諸島問題を考える必要はなくなる。やりたい放題だ。
 防空識別権の主張でも、防空識別権の直下の海を領海主張してくる可能性は存在する。この場合もかなりの範囲が中国領海となる。
 どちらでも日本としては大きな問題である。
 そして何らかの問題があることには合意してしまったのである。
 ムリあるかな。さてはて。

なんにしても第9条が日本を守ってくれないことは確かなようである。


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