2013年5月9日木曜日

バールのようなもの

バールと聞いて思い浮かべる形はなんだろうか。
一般的には「片方の頭が90度に曲がった釘抜きになっている長い鉄の棒」等であろう。
それを前提とするとバールの「ようなもの」ってなんやねんという話になる。
ところがバールはまっすぐの棒でもバールなのである。

バールの定義は『テコとして使用できる金属の棒』である。
例えば「カナテコバール」でググってみると真っ直ぐなバールがすぐ見つかる。
また「氷割り」などでも調べてもバールのようなものが検索される。
登山で使用されるピッケルなどもバールのように使用することができる。
と言うかぶっちゃけ、金属の棒は全てバール、なのである。

要はこじ開けられた形跡から金属の棒らしきものが使用されたようだったら、
それは全て「バールのようなものが使われた」と言うことになる。
それが先端を潰した鉄パイプなどであっても分類はバールで間違いない。

ここまで読んで気が付かれただろうか。
実は「バールのようなもの」など「存在しない」のである。
それらは全てバールに含まれるのだからバールに他ならない。
それはバールなのである。

似たようなものとして「ナイフのようなもの」がある。
これも「包丁が含まれる」ことが分かりにくいと感じる人が多い。
ナイフは対象を切断する刃物のことであり包丁はそのうちの調理道具のみを指す。
勘違いしようがない話のはずだが、なぜか日本人はナイフ=ごっつい刃物と考えやすい。

ちなみにこのような事例は大昔からあり、次のようなことわざがある。
「木を見て森を見ず」
意思疎通を図るための言語が人々の認識を混乱させるという笑い話である。

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