2013年7月30日火曜日

人間は何をもって万物の霊長を名乗るのか

人間という種族が他の動物より優れている点はなんだろうか。

心があること?
しかし人は心の存在を立証できていない。DNAに刻まれたただのプログラムである可能性もある。
人生にあまたある問題は心が主原因ではないか?
そもそも他の動物には心はないのか?心がないとしても人間より劣っているか?

言葉を使うこと?
人は言葉を使って意思疎通を行うことができる。
しかし犯罪や戦争もその言葉が足りなかったり多すぎたりして数えきれぬほど発生してきた。
人が言葉を使いこなしているようには見えない。
そもそも他の動物には言葉はないのか?言葉がないとしても人間より劣っているか?

文字を残せること?
人は文字を残し、その思想や歴史を後世に伝えていくことができる。
しかし人間の歴史は同じ事の繰り返しである。どれだけ文明が栄えても根本的な社会性は進化せず戦乱を起こして滅亡しまた再興する。その繰り返し。
本当に文字は役に立っているのか?医術などでは役に立っていそうな気配もあるが、これが人口の過多を招いたり文明の発展を阻害している可能性も捨てきれない。
他の動物には文字はなさそうだが、それで困っている様子もないし人間が霊長を名乗る根拠としては弱いのではないか。

社会性があること?
上記の通り、人間の社会性は一過性のものであり成熟したことがない。また今後も見込めない。
社会性については人間は蟻にも負けそうだしこれを霊長の根拠にするのは危険だろう。蟻に失礼か。

感受性があること?
人は喜怒哀楽を理解することができ芸術を解することができる?
ここまでくると自画自賛も甚だしい。他の動物が喜怒哀楽を解さない証拠はないし動物が喜怒哀楽や芸術性を発揮すると人間を越えるのか?
それは生物としての霊長を名乗る理由としては弱すぎるし方向性を勘違いしているだろう。

数が多いこと?
数の多さで霊長を名乗るのはムリだろう。その辺の道ばたにいる微生物に負ける。


結局人間が他の生物より優れている点はない。驚くほどない。
万物の霊長だと自惚れる能力はあるようだが全く役に立たない。
滅びたり滅ぼしたりする能力にも定評があるようだが、これは生物として劣っている点だろう。
そもそもそれは何の役に立ったことがあると言うのか。

植物連鎖を学べば理解できる話なのだが、人は単体では生きていけない。
それは社会性の問題ではなく幾多ある生命の一部でしかないということである。
どの種も他の種に助け助けられて自然は成り立っているのである。
そこで最も危険なのが「自らが特別と思い込み他種を統べようとする思想」である。
まったくの的外れであり世界に混乱しかもたらさない。
ところが人間はこの思想から逃れられない。
自らも律せないのに何を律することができるというのか、そしてそれをなぜ何時まで経っても理解できないのか。
人間だけが全く進化できずに答えのない自問自答を繰り返し続ける。
むしろ万物の劣長と呼んだ方がしっくりくる。

万物の霊長というのは戒めの言葉として使うのが妥当だろう。
それにしてもひどい欠陥品である。
製作責任者出てこい。

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